2018/04/25

収益事業を行っている場合の地方税


 4月の「学校会計のチカラ」の最後となる第4回は、法人税法の収益事業を行っている場合の地方税について説明をします。
 学校法人が収益事業を行って法人税(地方法人税を含む。以下同じ)の申告を行っている場合、所在する都道府県や市区町村に対して以下の地方税の申告も必要となります。

 

多くの学校関係者が法人税にのみ意識が向きがちですが、地方税も大事な税目ですので注意が必要です。



1 法人事業税等
  法人事業税とは、学校法人が行う収益事業に対して、学校法人が所在する都道府県が課する地方税です。表題では法人事業税等と「等」が加えられておりますが、この「等」は地方法人特別税をいいます。


  
(1)法人事業税
  法人事業税は、学校法人の収益事業から生じた所得を課税標準とする地方税です。このように所得を課税標準とする事業税を「所得割」ともいいます。
 現時点では、原則として以下のような税率で課税されます。


例えば、学校法人の収益事業の所得が600万円であったとした場合、まず400万円部分は「400万円 × 3.4% = 136,000円」(①)となります。そして、これを超える200万円部分(= 600万円 - 400万円)は「200万円 × 5.1% = 102,000円」(②)となり、①と②を合わせて238,000円が法人事業税額となります。
 法人事業税は、所得金額に応じて段階的に課税されるのが特徴です。

(2)地方法人特別税
 地方法人特別税は、学校法人が計算した法人事業税額を課税標準とする地方税です。この課税標準となる金額を「基準法人所得割額」といいます。(1)の例でいえば、238,000円がこれに該当します。
基準法人所得割額に対し、現時点では43.2%の税率で計算されます

 
2 法人住民税
(1)法人住民税とは

 法人住民税とは、学校法人が所在する都道府県及び市区町村からから課税される地方税をいいます。法人税額を課税標準とする「法人税割」と、税額があらかじめ定められている「均等割」からなります。


 

(2)法人住民税の課税・非課税の判定票

 学校法人が、収益事業の所得の金額の90/100以上の金額を学校法人の経営(収益事業を除く)に充てている場合、収益事業を行っていないこととされます。簡単にいえば、収益事業から得たもうけ(所得)を、ほとんど(90%以上)学校法人の通常の運営に充てている場合をいいます。
 この場合の学校法人は、法人税割と均等割が非課税となり、結果として法人住民税が非課税となります。
 非課税の要件を充たすかどうかの判定のために必要なのが「法人住民税の課税・非課税の判定票」であり、決算期に学校法人に対して都道府県や市区町村から郵送されます。学校法人が法人住民税の非課税の適用を受けるためには、地方税の申告書と併せてこの票も提出します。
 この判定票には、以下の4つの書類の添付も必要です。

この場合の「① 決算書」とは、資金収支計算書などの学校法人の計算書類ではありません。学校法人の収益事業の貸借対照表や損益計算書などをいいます。

                                                          以上

                                            斎藤総合税理士法人 照井


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