前回は、基本金の会計処理について、各号ごとに基本金の組入対象額と取崩対象額の全体を把握したうえで、最終的に基本金が組入額となるのか取崩額となるのか、そのながれを解説しました。基本金の計算は、法人全体で計算するケースのほか部門別に計算するケースもあり、さらに複雑なパターンもありますので、まずは基本的な処理を十分に理解しておくことが必要です。2か月にわたる基本金の解説の最後は、基本金の修正と基本金明細表、基本金に関する注記などについて解説したいと思います。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であることをお断りしておきます。
基本金の修正とは、過年度の基本金の計算に誤謬があった場合に正しい額に修正することをいいます。この場合、修正に伴う基本金の増減額は、修正を行う年度において基本金の組入対象額又は取崩対象額に含められます。したがって、過年度に基本金の過大計上があった場合には当該修正額を取崩対象額に含め、また、過小計上があった場合には当該修正額を組入対象額に含めて把握します。その後は、前回解説した手順により最終的に事業活動収支計算書において、基本金が組入額となるのか取崩額となるのか算定されることになります。