2015/09/02

経理規程作成ポイント(その2)


 固定資産会計規定に係る別途定める規程として、有形固定資産の取得及び処分等に関する規程の作成が考えられますが、作成にあたっては以下の事項に留意し作成することが望ましいと考えます。

 有形固定資産は、一般の会計基準と同様に所定の用件を超えるものは資産とし、その要件に満たないものは消耗品などの科目で処理することとなりますが、学生・生徒、児童、園児等が常時使用する「学生生徒、児童、園児用の机・いす、ロッカー、図書館(室)等の書架等」いわゆる少額重要資産は、学校法人の性質上基本的に重要なもので、その目的遂行上常時相当多額に保有することが必要とされる資産は、前述の金額基準に達しないものでも固定資産として管理し、かつ、基本金設定の対象とすることとなっています。(文管振第62号 昭和49.2.14)

 参考までに東京都通知による固定資産取得に係る処理及び固定資産の減価償却に係る処理標準例を以下に示すことといたします。
 なお、他所轄知事においては会計処理標準が異なる場合がありますので、その場合は、所轄知事の指示に従うものとします。

東京都標準例:【固定資産取得に係る会計処理標準例】

1 機器備品の計上基準
 教育研究用機器備品及び管理用機器備品に計上する基準は、次のとおりとします。
(1) 耐用年数が1年以上であり、かつ、1個又は1組の価格が一定金額以上であるものとする。この一定金額は、
   5,000円から50,000円の範囲内で学校法人が定めること。
(2) 少額重要資産については、上記(1)に係わらず、全て計上すること。


2 図書の計上基準
 図書に計上する基準は、次のとおりとする。
(1) 取得価格の多寡にかかわらず、長期間にわたって保存、使用することが予定されるもの。
(2) 取得価格には、原則として、取得に要する経費を含めないこと。また、大量購入等による値引額及び現金
   割引額は、「雑収入」として処理することができる。
(3) 学習用図書、事務用図書、新聞、雑誌等のように、通常その使用期間が短期間であることが予定される
   ものは、取得した年度の消費支出として取り扱うこと。
(4) 消費支出として処理した雑誌等を合冊した雑誌等を合冊製本に要した経費を持って、当該図書の取得価格
   とすることができる。
(5) 図書と類似の役割を有するテープ、レコード、フィルム、CD、DVD等の諸資料は、利用の態様に従い、
   図書に準じて会計処理を行うこと。



東京都標準例:【固定資産の減価償却】

1 減価償却の取扱い
(1) 減価償却の方法は、定額法によることとし、残存価格は置かないこと。
(2) 機器備品及び図書を除く減価償却資産は、1個又は1組ごとに償却(個別償却)をすること。
(3) 機器備品
    ア 一定金額以上のものは、個別償却をすること。この一定金額は、100,000円から
      1,000,000円の範囲内で、学校法人が定めること。 
    イ 一定金額未満のものであっても、その取扱い上個別償却が適していると思われるものについては、
      個別償却をすることができる。 
    ウ 前記ア、イ以外のものについては、取得年度ごとに、同一耐用年数のものをグループ化し、一括して
      償却(例えば、取得年度別グループ償却)すること。
(4) 図 書
    ア 図書は、原則として、減価償却しないものとする。この場合、図書の管理上、除却をしたときは、
      当該図書の取得価格額相当額をもって消費支出とすること。
    イ 除却による経理が困難な時は、グループ償却の方法により減価償却することができる。
(5) 期中取得の償却資産
    ア 個別償却資産については、償却額年額の月数按分によること。
    イ グループ償却の方法により減価償却すること。(注1)
(6) 備忘価格 個別償却資産は、耐用年数経過時に使用中のものについて、1円又は100円の備忘価格を
         付することができる。

(注1) グループ償却とは、学生生徒用の机、椅子のような機器備品の数が多い場合は、減価償却計算及び
    その機器備品の管理の手間が馬鹿にならない。
    日本公認会計士協会では、事務手続きの簡素化という観点から、会計基準第26条を受けて、学校法人
    委員会報告第28号「学校法人の減価償却に関する監査上の取扱い(昭56.1.14改正平13.5.14)」により
    学校法人会計特有の処理として、機器備品(主として机、椅子等(少額重要資産))の減価償却については、
    取得年度ごとに同一耐用年数のものをグループ化し、一括して毎会計年度償却をし、耐用年数の最終年度
    に当該機器備品について、現物の有無を問わず一括除却処理する方法を認めたものであります。

                                                        (赤 川 富 彦)

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