2015/07/22

学校法人会計基準改正に伴う経理規程の改正

 学校法人の財務諸規程等の作り方については、【財務諸規程ハンドブック】(永和監査法人会長・公認会計士齋藤力夫編著)が平成27年5月20日に初版を発行しました。

 本ハンドブックは、平成3年7月に「学校法人財務諸規程の作り方」を発刊し、その後平成16年3月まで数度の改訂を経て中断しておりましたが、この度の学校法人会計基準の全面改正により、新たに財務諸規程ハンドブックとして発刊することといたしました。

(問合先:非特定営利法人学校経理研究会(Tel03-3239-7903/Fax03-3239-7904)

 ハンドブックの構成としましては、改正学校法人会計基準に合わせ、経理規程ほか財務活動に関連する諸規程として、①資産運用規定、②預り金規程、③固定資産及び物品管理規程、④内部監査規程、⑤予算管理規程、個人研究費規程、⑥科学研究費補助金取扱規程、⑦奨学金規程、⑧各種契約書の作成例と契約締結時のチェックポイント、⑨学校法人寄付行為の作成例とその解説等、網羅的に編集いたしましたので、各学校法人においてご活用くだされば幸いに存じます。

 ここでは、新学校法人会計基準の改正の概要について若干触れ、次回以降に個別的内容について連載してまいりたいと思います。

 さて、学校法人会計基準は、昭和46年学校法人会計基準施行以来、必要の都度一部の改正は行われてきましたが、平成25年4月22日、文科省令第15号により42年振りに新学校法人会計基準として大幅な改正をいたしました。

 その改正の概要は、従来「資金収支計算書及びその内訳書」「人件費内訳書」「消費収支計算書及びその内訳書」「貸借対照表」及び付属明細書としておりましたが、改正後は次のとおりとなりました。改正ポイントのみ説明いたします。(詳細は、次回コラムに掲載。)

 ①  資金収支計算書は施設利用料収入が資産運用収入から雑収入へ計上区分変更し、施設利用料収入以外の
   資産運用収入は新たに設定された受取利息・配当金収入に計上及び事業収入は付随事業・収益事業収入に
   名称を変更し、新たに「活動区分収支計算書(知事所轄学校法人以下を設置する学校法人は、作成を省略
   できる。)」を加えました。
   活動区分収支計算書には、資金収支計算書に記載される資金収入及び資金支出の決算の額を、
   「①教育活動、②施設若しくは設備の取得または売却その他これらに類する活動、③資金調達、その他の
   活動」に区分して作成します。

②  消費収支計算書及びその内訳書は、「事業活動収支計算書」の名称に変更し、加えて「事業活動収支内訳
    書」としました。
    事業活動収支計算書には、毎会計年度、当該会計年度の「教育活動、教育外活動、それ以外の活動」ごとに
    事業活動収入の部及び事業活動支出の部を設け、事業活動収入及び事業活動支出の科目ごとに当該会計
    年度決算の額を予算の額と対比して作成し、当年度収支差額等は事業活動収入の額から事業活動支出の
    額を控除した額を事業活動支出の部の次に予算の額と対比して作成します。

 ③  貸借対照表は、大科目「固定資産」に中科目として「特定資産」科目の追加に加え、小科目に「第2号基本金
   引当特定資産」「第3号基本金引当特定資産」を加え、必要に応じて○○引当特定資産を追加できるように
   改正がなされました。

 特に、消費収支計算書は、企業会計に比べ分かりにくいとの批判がありましたが、新会計基準では、教育活動収支から特別収支まで、それぞれの部における損益収支(収支差額)が示され、その後に基本金組入前の収支差額が設定され、企業会計における税引前当期損益の部までは、企業会計の「損益計算書」に限りなく近いものとなっております。

 その例として、営業損益の部にあたるものとして「教育活動収支」が、経常損益の部にあたるものとして「教育外活動収支」が、特別損益の部にあたるものとして「特別収支」として変更設定されております。

  また、貸借対照表上では、新たに特定資産科目を設定し、学校法人の将来の負債に備えるために計画的に積立(引当)するよう、例えば第2号基本金、第3号基本金の設定など一部法的強制力を持たせたものや、また、退職給与引当特定資産の設定や必要に応じて減価償却引当特定資産、○○引当特定資産等、将来の負債に備えるよう設定がされております。

 なお、本改正の適用年度は、文科省所轄学校法人にあっては平成27年4月1日から、知事所轄学校法人にあっては平成28年4月1日からとなっています。

 既に、文科省所轄学校法人は新会計基準により本年度から進行しておりますが、知事所轄学校法人については来年度から適用となっておりますので、新学校法人会計基準に合わせた学校法人会計ソフトのカスタマイズや新規会計ソフトの導入等を速やかに進める必要があります。



【今後の掲載予定】

新会計基準(活動区分収支計算書作成ポイント)   H27.8.5掲載
新会計基準(事業活動計算書作成ポイント)       H27.8.12掲載
新会計基準(貸借対照表の作成ポイント)        H27.8.19掲載
経理規程の作成(その1)                  H27.8.26掲載
経理規程の作成(その2)                  H27.9.2掲載
資産運用の在り方                       H27.9.9掲載
「収益事業」の会計(その1)                    H27.9.16掲載
「収益事業」の会計(その2)                  H27.9.23掲載

                                                  (赤 川 富 彦)

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